ぼっちや陰キャは起業して生きていけるのか?

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私は、自分に合った新しい働き方を、ずっと模索しています。

なぜなら、組織で働くことがどうしても苦手だから。

組織にとらわれず、会社員から抜け出して、自分で起業して稼ぐ力。そんな力を身につけたいと、ずっと考えています。

一応断っておくと、私はいまやっている仕事が嫌いなわけではありません。

苦手なのは、「職場」。あのザワザワした「職場」という環境が、どうしても苦手なのです。

地声の大きな社員が勤務中に近くで話していたりすると、気になって集中できません。

流行りの性格テスト「MBTI」でも、ばっちり内向型の傾向が出ます(ちなみに私は「提唱者」)。

そんな内向型がオフィスで働くのは、やっぱり辛い。

将来を思うと、こんな不安や焦りが湧いてきます。

  • 自分にフィットしない働き方のまま、あと何年働けるのかという不安。
  • このまま何も成しとげずに死んでいくのかという焦り

やっぱり自分で何かのビジネスを興すしかないかな・・・。そうずっと考え続けていました。

これは、そんな時に出会った本です。

立ち読みして一度は立ち去ったのですが、どうしても頭から離れなくて、3日後に近所のTSUTAYAに買いにいきました。

目次

著者は、自称「ダメ人間」

著者のプロフィールです(本書のポロフィールからの抜粋)。

・人前で話すとどもってしまう。小学校時代のあだ名は「障がい者」
・アルバイトや、就職した会社も長続きせずに辞めてしまう「ダメ人間」

相当苦労されたのですね…

いちいち履歴書を書くことも面倒になり、仕方なく自分でビジネスを興そうと考えたのだそうです。

そして、「ぼっち起業家」を標榜する起業コンサルタントになります。

電話は取らない、名刺に電話番号も書かないーー。独特な営業スタイルを取ります。

インターネットでマーケティングに注力した結果、ぼっちや陰キャ経営者からの依頼が絶えなくなったそうです。

耳に優しい起業本ではない

冒頭、こんな5原則に出会います。ボッチの企業のための5原則です。

原則1:自分の可能性を否定しない
原則2:自尊心を持つ
原則3:必要な努力は、するのが当たり前
原則4:空気なんて読まない
原則5:過去を悔やまない

これ・・・、ボッチ、コミュ障、内向型の人たち(以下「ボッチ」に統一)には、なかなか難しいことだと感じませんか?

なぜなら、多くのボッチたちは、空気を読みまくって、目立たないように生きてきた人たちばかりだからです。

なぜなら、多くのボッチたちは、できない自分を責め、悔やみ、否定し、生きてきた人たちばかりだからです。

でも著者は、そんな「凝り固まった」ボッチたちの思考を改める必要性を説いています。

性格なんて直さなくていい! ボッチに誇りをもって起業しよう! そう唱えています。

「オタク」が武器になる

もしもあなたに、オタクと言われたくらい熱中できたものがあれば喜びましょう!

だって、それは周りが見えなくなるくらい没入できる何かを持っているということだから。

それこそが、強み

しかし、そこまで好きなことがある人は、決して多くはないでしょう。私がそうです。

いろいろなことに興味はあって手を出すのだけれど、何をやっても中途半端に終わってしまう。

でも、それでもいいのです。自分の特性とか性格の中から、何かフックになるものを探してみればいい。

過去に他人から、「あなたって、〇〇が得意だよね」と、一度くらい言われたことが何かあるはずです。

それを突き詰めていく。

たとえば私は、飲み会の取り纏めなんかは結構得意な方です。

私自身、性格が明るくないのですが、黒子に徹したり、アシストしたりするのは性に合っているみたいです(ただ、いまは飲み会にもほとんど行かくなったので、幹事をやることはほぼありません)

それと、仕事上では同僚やお客さんに分かりやすく説明することが、けっこう得意だったりします。

それは、「人に喜んでもらいたい」、「人にストレスを感じさせることなく理解してもらいたい」という気持ちが、人より少しだけ強いからだと思います。

こういう「ちょっと利他的な性格」は、〇〇コンサルタントに向いているのかもしれません。この〇〇を私は探し続けています。

あとは、話すコミュニケーション能力が低すぎるので、書くことの方が自分の想いを伝えやすいです。

大人数の前でのプレゼンは下手な代わりに、ライティングには適正があるといえるでしょう。

こうした性格上の特性やスキルを突き詰め、形にしていくのです。

起業する上で大切な3つの心構え

スキルについて言及しましたが、事業を始めるにあたっては、もっともっと大事なものがあります。

著者は以下の3つだと言います。

誠意:社会やお客さんに対して「役に立つぞ!」という意気込み
情熱:起業を宣言する必要はないが、内心「やるぞ!」と覚悟を決めておく
根性:稼げるまで「努力を継続する」気持ち

「75:25:5の法則」というのを聞いたことがあるでしょうか。

75%の人は実行すらしない。25%の人は初めてもすぐにやめる。残り5%の人だけが1年以上続ける。

そういう法則だそうです。つまり、続ければ、勝てる

体調や天候の良し悪しに関係なく、とにかく毎日続けること。それが成功者になるための秘訣だと著者は言います。

そんな簡単じゃないですよね。

だから、この本は甘くもないし、耳に優しくもないということなのです。

でも、どれだけ人の役に立ちたいか、情熱を持てるか。成し遂げたいか。気持ちの強さ次第といってよいのではないでしょうか?

起業において心構え(マインド)がいかに大切だということが分かります。

教える相手は、格下を選べ

徐々に実務的な話になってきます。

誰をターゲットにするのか、は大事なことです。

マーケティング戦略においても、「誰に・何を・どのように」売るのか? 3つの観点から戦略を考えていきます。

作れば売れる時代はとっくに終わりましたからね。ターゲット、売るもの、売り方を選定していかなければなりません。

その中で著者は、「誰を」相手にするかが重要だと説きます。

そしてその「誰」とは、自分より格下の人。つまりターゲットは格下だと言っています。

たとえば、こんな感じです。

あなたは、一流のレーシングドライバーにはなれなかったかもしれない。でも、人にものを教えるのが上手で、自動車教習所で素人に上手に運転を教える教官になった。

あなたは、プロのスイマーにもなれなかったかもしれない。でも、子ども好きの性格によって、スイミング・スクールで園児に人気の先生になった。

自分が持っているスキルを明らかにし、そこに性格や特性を掛け合わせるのです。それを欲している「格下」に対して提供するために。

ターゲット(「誰に」)の見極めが大事ということが、よくわかります。

お金を管理する

著者は、「お金は道具」と考えます。お金は手段であって、目的ではないということです。

お金を過度に大切に思う人が起業すると失敗する、という文章に、私はハッとしました。

なぜなら自分はかなりの節約家だからです。

ある時、ストイックすぎる節約が悪影響を及ぼし、家族のバランスが崩れてしまいました…。

お金を貯めることを「目的」にするような節約法は、起業家としてはNGだそうです。

「生きガネ」という言葉があるように、お金は使い方が本当に大事なのです。

でも、使うだけでもダメ。

え、、、じゃあ何に使ったらいいの?

それは勉強や広告への投資だそうです。大きな括りでは、自分のブランディングということですね。

稼げてもいないのに、人におごってお金を溶かしているようではダメなのです。

体調を管理する

この本を読んで、風邪は引くべくして引くんだ。そう気づきました。

著者にとっては、風邪は引かないと「決めるもの」だそうです。

風邪をひかないと決めると何が起きるのか? 「意識と行動が変わる」のです。

たとえば、雑踏に行かない(もしくは早く立ち去る)。

人ごみでは必ずマスクを着用する。

高濃度ビタミンを摂取する、などです。

私の場合は、飲み会を断ることが一番の体調管理です。

飲み会に行くと、感染リスクが高まりますし、免疫が弱くなります。何よりもストレスを多く抱えて帰ってきます。

適度な運動もいいですね。歩くのが一番の気分転換になります。

風邪は引くべくして引く。だから、風邪を引かないと決める。なるほどなぁと思いました。

メンタルを管理する

起業するにあたっては、メンタル管理も必要不可欠です。

他者の言うことを真に受けると、自分の軸がそれらに左右されてしまいます。

他人の言動をネガティブにとらえすぎるのはもちろんよくないのですが、ポジティブにとらえすぎるのもよくありません。

なぜなら、そこには「他人の評価」を軸にした生き方があるからです。他人の評価を軸にしたら、ブレますよね?

では、どうしたらいいか?

自分の頭で考えること、疑うこと。

そのためには、

解釈の余地を探す。他の考え方はないか? と疑ってみる。

本当にこの考え方でいいのか? と前提に戻ってみる。

「批判的に考える」ということは、相手を非難したり、うがった見方をしたりすることではありません。

健全に疑い、他の可能性の余地を探り、自分の頭で考えることです。

まとめ

この本は、耳に優しい起業本ではありません。起業の一般論を教えてくれる本でもありません。

性格的には最も縁遠そうなボッチが、組織を抜け出し、起業して自分らしく生きるためのヒントが書かれています。

自分を変えようとしない。ボッチはボッチのままでいい。そのまま掘り下げる。

そんなメッセージが根底にあります。

正直、もうちょっと具体性があってもいいかなぁ、とは思いました。

具体例はいくつかあるのですが、ちょっとフワッとしている印象を受けました。

もっと具体例が欲しい! そこをもうちょっと説明してほしい! そう思う部分も正直ありました。

でも、ボッチの起業に向けたヒントはもらえます。

少なくとも、私には役に立ちました。

興味あることをいろいろやってみたつもりだけど、これ! というものがなかなか見つからない。

中小企業診断士の資格、キャリアコンサルタントの資格、ファイナンシャルプランナーの資格。

取った結果イマイチだなぁと感じた資格に、いったい何百万円、何千時間を費やしたことでしょう。

そもそも資格の勉強が目的になっていた、という面は否定できません。

でも、いろいろやってみると気づきがあります。少なくとも、向き不向きは分かりました

好きとまではいえなくても、苦労なく継続できるものも見つかりました。

いろいろやる中で、これならなんとかできそうだな、と感じるものが1つでも見つかればばいい。

それがやがて道になるーー。

ボッチ、陰キャとバカにする奴がいても、そのままでいい。その特性をもっと深めてやればいい。起業は手の届くところにある。

厳しくも優しくもあるこの本は、ボッチ諸氏に希望を与えてくれる本です。

最後にもう一度、ボッチの起業のための5原則です。

原則1:自分の可能性を否定しない
原則2:自尊心を持つ
原則3:必要な努力は、するのが当たり前
原則4:空気なんて読まない
原則5:過去を悔やまない

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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