車は本当に所有する必要があるのか?カーシェアを利用して分かったこと

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いきなりですが、私はケチです。
自分が価値を感じないことに対しては、1円も使いたくありません。

そして、私は車が嫌いです。正確に言うと、車を所有することが嫌いです。理由は、無駄が多すぎるからです。
ちなみに車の運転はします。

今回は私が車を売却したいと思ってから、カーシェアを利用するようになった話を書いてみたいと思います。

以下のような悩みを持つ人に参考になると思います。

  • 節約したい人
  • 手元のキャッシュを増やしたいい人
  • 車を売りたいけど、判断に迷う人・方法が分からない人
  • いまの生活スタイルを見直したい人
目次

日本人の車の保有台数

日本人の車の保有台数は、1960年代から堅調に伸びてきましたが、2010年頃から乗用車(青い部分)は横ばいに転じています。

自動車保有台数は、基本的には人口に比例します。日本の人口ピークは2008年(平成20年)の1億2千808万人。2011年(平成23年)の1億2千783万人以降は、一貫して減少しています。

日本の自動車保有台数は頭打ちといってよいでしょう。

出所:一般社団法人自動車検査登録情報協会のデータを一部加工. https://airia.or.jp/publish/statistics/trend.html

日本の車の平均維持費

さて、日本人の車の平均維持費はいくらくらいでしょうか。

三井住友海上の調べによると、1年間の維持費はコンパクトカーで約43万円、ミニバンタイプで約48万円です。
走行距離、免許のランク、駐車場代など、使い方によって差異は出ると思いますが、おおよそこのようなところなのではないでしょうか。

出所:三井住友海上HP https://www.ms-ins.com/labo/higoro/article/118.html

私はミニバンタイプに乗っていましたが、最近では走行距離が年間2,000kmにも満たなかったので、1~2ヵ月に1回しか給油をしませんでした。私の車の年間維持費は、約40万円でした

年間の乗車時間と乗車率

平日は妻も私もほとんど車を使うことがないので、使用するのはもっぱら週末です。それも買い物がほとんど。
所有していた頃は、土・日・祝合わせて1時間も乗れば長い方でした。

年に2,3回ほど家族で隣県に遠出することはありますが、それを加味しても年間使用時間はわずか76時間です。

[年間乗車時間]

毎週末の乗車時間:52週x1時間 = 52時間 ①
イベント時の乗車時間(年に3回ほど):遠出8時間x3回=24時間 ②
——————————————————–
年間乗車時間76時間(①+②)

1年間を時間に換算すると、8,760時間(24時間 x 365日)です。
とすると、わが家の車の年間使用率は、たったの0.87% と計算されます。

年間時間:24時間/日 x 365日=8,760時間
乗車時間:76時間
——————————————————–
年間乗車率:76時間÷8,760時間x100 = 0.87%

つまり、年間99.13%(100% – 0.87%)稼働していない車のために、年間40万円も支払っていたわけです。
国内旅行なら高級旅館に数泊できますし、近場の海外なら家族で2泊の旅行は行けてしまいそうですね。

もちろん40万円の中には、本当に必要な移動というものもあるわけですので、その分は差し引かなければなりません。それにしても、やはり車にかかる費用は高いと思います…。

子どもが保育園の頃は送迎に車が必要という理由がありました。しかし子どもも次第に手が離れ、車の必要性は薄れてきました。私の場合は、明らかに乗車頻度が減りました。

家族の成長、生活スタイルの変化によって車の使い方は変わるのですね。

幸い私は、スーパー、薬局、病院など、生活に必要な施設が半径500m以内にすべて揃っています。
しかし利便性が高い場所に住んでいることと引き換えに、住居費の負担は高めです。

シェアリングエコノミーの市場は好調

シェアリングエコノミー(Sharing Economy)という言葉を聞いたことがあると思います。

現代ではモノが飽和しています。作れば売れる時代は終えんを迎え、経済のモデルが「所有から共有(share)」へと移りつつあります。モノやサービスを効率的に利用する循環型の経済モデルが台頭してきたのです。

代表的なシェアリングエコノミーはUberのサービスなどがありますが、カーシェアもシェアリングエコノミーに含まれます。

以下はシェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所と共同で実施した、2032年の市場規模のシナリオです。2022年度の市場規模が2兆6,158億円に対して、

・ベースシナリオ(※1)だと、2032年に 8兆5,770億円
・課題解決シナリオ(※2)だと、2032年に 15兆1,165億円


※1.現状ベースで成長した場合
※2.新型コロナウイルスによる不安が解消・シェアリングエコノミーの認知度が低い状況が解決されるなどの場合

と予測されています。
いずれにしても、シェアリングエコノミーの市場は大きく伸びる余地があると予測されています。

出所:一般社団法人シェアリングエコノミー協会HP https://sharing-economy.jp/ja/20230124

カーシェア市場も好調

シェアリングエコノミーの台頭により、カーシェアの市場規模も堅調に推移しています。

矢野経済研究所の調べによれば、2020年時点では約510億円だった市場は、2025年に1,000億円を超え、2030年には1,500億円を超えると予測されています。

出所:矢野経済研究所HP https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3406

また、経済産業省の調査によれば、カーシェアリング市場は車両ステーション数、車両台数ともに右肩上がりです。
下図の2015年と2022年を比べると、市場の拡大度合が分かります。

2015年から2022年で、車両ステーション数(青)は2倍以上、車両台数(オレンジ)は3倍以上へと増加しました。

また、車両ステーションあたりの車両台数(灰色)も、2022年は2.54台と、2015年の1.74台よりも0.8台増えています。1ステーションに複数台のカーシェア用の車が置かれている光景も、珍しくなくなってきました。

出所:経済産業省HP https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230224hitokoto.html

カーシェアのメリットとデメリット

それでは、カーシェアのメリットとデメリットを整理してみます。

  • ちょい乗りユーザーは節約が可能(固定費がかからない)
  • 乗りたい時間分だけ乗るという選択ができる
  • 自家用車の盗難リスクから解放される
  • メンテナンスの必要がない
  • カーシェアを使いすぎると、所有するより高くなる場合がある
  • カーシェアを使いたいのに、空いていない時がある
  • カーシェアは所有車のように、室内を物置代わりに使えない
  • カーシェアは車内に忘れ物ができない

私のような買い物中心のちょい乗りユーザーだったら、メリットの方が大きいです。

逆に、スキー、サーフィン、バーベキューなどのアウトドア派にしたら、デメリットの方が大きいでしょう。
遠出するのが日常的なライフスタイルの方たちは、車を所有した方がよいかもしれません。

私が車を手放した具体的な理由

具体的に、私が車を手放した理由は以下のとおりです。

  • メンテナンスにかける時間が本当に嫌だった
  • 年間乗車率が年間1%にも満たないものにムダなお金を払うのが嫌だった
  • 最適な移動手段を選択できないのが嫌だった
  • 子どもがダラダラとテレビを見る空間になってしまったのがイヤだった

1つ1つ見ていきたいと思います。

① メンテナンスにかける時間とは、洗車やディーラーに出す定期点検などです。
なぜ持ちたくもないものに時間もお金も使わなければならないのだろうと、やるせない気持ちでした。
特に洗車が嫌いでした。洗車をしながら夫婦の価値観の違いを思い、離婚すら考えたほどです。

② 年間乗車率が1%にも満たない(正確には0.87%です!)車を維持するのも嫌でした。
月に1万円を超える駐車場代、年間の保険料、税金、2年に1度の車検費用。これらは乗らなくても必ずかかる固定費です。家族旅行など他のことに使いたいと、いつも思っていました。

③ 最適な移動手段を選択できないのが嫌でした。
車を持っていると、どうしても車があることに依存します。たとえば隣駅に出かけるとして、電車なら数百円で済むところをわざわざ車で出かけます。そうすると、行った先の駐車場代金だけで2,000円くらい取られてしまうことがあります。
電車を使う、バスを使う、タクシーを使う、歩く。
こうした選択肢の中から最適な移動手段を選択する余地が、車を所有することによって奪われてしまいます。

④ 子どもがダラダラとテレビを見る空間になってしまいました。
これも私のせいでもあります。車を購入した際に天井にモニターを設置したのですが、これが失敗でした。車に乗ると、子どもたちはいつもテレビや映画を見るようになりました。乗車中に家族の会話がなくなるのです。
それなら乗り換えが多くても、電車移動した方がずっといいです。会話が生まれますから。

どうやって売ったのか

インターネットの一括査定サイトを利用して売却しました。

なんと、登録してから30分くらいで数社から電話がかかってきます。

こういうサービスって、本当に速いですよね…(いい悪いではなく)。

私の場合は、ガリバーさん、ビッグモーターさん、ネクステージさんの3社が査定に来ました。

査定金額が一番高かったネクステージさんにお願いすることにしました。

売却にどれくらいの期間がかかったか

タイミングがよかったのもありますが、見積り依頼から車の売却(車の持ち込み)まで、10日もかかりませんでした。詳細は以下のとおりです。

  • インターネットでの依頼 ~ 現場での査定:2日
  • 業者の選定(3社から1社への絞り込み):1日
  • 選定した1社と価格交渉:1日
  • 価格合意 ~ 売却:5日

売却するための手続きなど

印鑑証明書と住民票を準備したり、振込口座を連絡したりのやりとりがありますが、大した時間はかかりません。書類はコンビニで取得できるからです。

車は引き取りサービスを利用するか? それとも自分で持ちこむか? と聞かれます。

引き取ってもらう場合は引き取り料が1万円かかるので、私は持ち込みを選択しました。
電車で30分の距離だったので、お金をかけるのはばかばかしいです。

いくらで売れたのか

購入価格は400万円。半値近くで売れました

新車のワンボックス、8年間の所有期間。
走行距離は30,000kmをやや超えたくらいでした。

無事故です。無茶な乗り方もしなかったので、われながら良い状態の車だったと思います。

最大の難関は何だったか

最大の難関は、反対していた妻を説得することでした。なかなか意見が合わず、説得に1年間かかりました。

私は別に、新しいもの好きというわけではありません。ただ、新しいものやサービスを使うことにさほど抵抗はありません。なぜなら、いまの価値観がベストだとは思っていないからです。世に新しいものが出れば、人の価値観なんて簡単に変わると思っています。

反面、妻は使い慣れたモノ、住み慣れた空間を好みます。価値観の相違のミゾは結構大きく、なかなか埋まりませんでした。

しかし最終的には、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの家電一式を新たに購入することと引き換えに、車の売却に成功しました。

いくらの節約メリットがあったか

過去半年分は、以下のように109,230円の節約という結果になりました。

車の所有時はだいたい月33,000円かかっていた計算になるので、所有時の33,000円と実際にカーシェアで使った実額という計算で比べていきます。

所有時の支払い(a)カーシェア実額(b)差額 (a) – (b)
2024年5月33,000円17,260円15,740円
2024年6月33,000円37,510円▲4,510円
2024年7月33,000円2,080円30,920円
2024年8月33,000円3,900円29,100円
2024年9月33,000円13,120円19,880円
2024年10月(予想)33,000円14,900円20,180円
半年間合計198,000円88,770円109,230円

6月は遠出をするため1泊でレンタカーを借りたためマイナスになりましたが、他の月はすべてカーシェアです。断然安く済んでいます。

半年間の合計節約額109,230円を単純に2倍すると、年間で218,460円の節約になります。

年間約22万円の節約って、けっこう大きくないですか?

車を手放した結果感じること

手放したいま感じること。それは、自由ということです。
乗らないのに洗車すること、メンテナンスに出すこと、税金・保険料を支払うこと。これらとは無縁になりました。
自由です。

すぐに乗りたいときにどうするの? と聞かれることはあります。予約には1分もかかりません。
乗りたいときに乗ることができます。

家の周りにカーシェア・サービスは、タイムズ、オリックス、MaaSなどです。3社含めて車両は15台もあります。
いまの契約先に不都合があれば、契約先を変える、ないしは契約先を複数社に増やしてもいいのです。

実は両親に車を手放した話をした時、苦虫を噛み潰したような顔をされました。

もともと私の倹約志向をこころよく思っていない両親です。車を売ったともなれば、こいつも来るところまで来たか、と思ったのでしょう。私の妻と子を不憫に思ったかもしれません。

でも、車ってそんなに私たちの生活をそんなに豊かにしてくれるものでしょうか?
月額4~5万円を支払う対価として、私たちに何を与えてくれるでしょうか?

車を所有していた頃、週末に洗車場に行くと車をピカピカに磨き上げている人をよく見かけました。私の洗車は15分もあれば終わるのですが、その人たちはおそらく30分以上(もしかしたら1時間以上?)かけて車を磨き上げている様子でした。

また、職場の仲の良い同僚の父親は、車が好きすぎて昔はよく車中泊をしていたそうです。寝室があるにもかかわらず、です…。

何がいいたいかというと、私は時間の使い方、お金の使い方は人それぞれだと、つくづく感じるのです。
良し悪しを言っているわけではありません。価値観の問題です。

私にとって車は、単なる移動手段にすぎません。A地点からB地点に到達するための乗り物、ただそれだけです。
したがって、車に対して何の感情も抱いていません。

持っていれば便利だからという理由で、所有を続けることはばかばかしいと考えています。
近所なら歩いて買い物に行けば健康的だし、雨の日に傘をさしながら重い荷物を持つのが嫌なら、必要な時間だけカーシェアを使えばいいのです。日帰り旅行をする時は、レンタカーしたっていいのです。

みんなが持っているからという人もいるようですが、他人は関係ありません。

手放すことで不自由は生じます。でも、得られる自由だってあります。
私の場合は、自由の方が遥かに大きかったのです。

まとめ

それではまとめです。

結論:車は所有する必要がない。カーシェアで十分

シェアリング・エコノミーの追い風により、カーシェア市場も堅調

カーシェアを取り巻く環境
  • 日本人の自動車保有台数は横ばい
  • シェアリング・エコノミーの市場は好調。今後も堅調推移を予測
  • カーシェア市場も好調。2015年と2022年を比べると、車両ステーション数は2倍以上、車両台数は3倍以上に増加

カーシェアを利用するメリットとデメリット

  • ちょい乗りユーザーは節約が可能(固定費がかからない)
  • 乗りたい時間分だけ乗るという選択ができる
  • 自家用車の盗難リスクから解放される
  • メンテナンスの必要がない
  • カーシェアを使いすぎると、所有するより高くなる場合がある
  • カーシェアを使いたいのに、空いていない時がある
  • カーシェアは所有車のように、室内を物置代わりに使えない
  • カーシェアは車内に忘れ物ができない

私が車を手放した理由

  • メンテナンスにかける時間が本当に嫌だった
  • 年間乗車率が年間1%にも満たないものにムダなお金を払うのが嫌だった
  • 最適な移動手段を選択できないのが嫌だった
  • 子どもがダラダラとテレビを見る空間になってしまったのがイヤだった

半年間で11万円の節約になった

所有時の支払い(a)カーシェア実額(b)差額 (a) – (b)
2024年5月33,000円17,260円15,740円
2024年6月33,000円37,510円▲4,510円
2024年7月33,000円2,080円30,920円
2024年8月33,000円3,900円29,100円
2024年9月33,000円13,120円19,880円
2024年10月(予想)33,000円14,900円20,180円
半年間合計198,000円88,770円109,230円

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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