性格を変えようとし続けた30年間
私自身、内向的な性格を変えようとする努力を30年間以上続けてきました。今まで生きてきた人生の約80%の時間です。
膨大な時間をかけても、結局は変わりませんでした…。
私、中学の頃から内省する癖がつきました。きっかけは、同じ部活動の友だち数人と立て続けにケンカしたこと…。
結果、部活内にほとんど友人がいない状態になり、もともと内向的だった性格が、急速に内向的になっていきました。
その後高校で自分を変えようとしたものの、うまくいきません。なぜなら、今度は友だちをなくすまいと愛想笑いばかりしていたのですから。何を話しても表面的な反応ばかりする私に、同級生たちが心を許すはずがありません。
結局、高校でも大学でも周囲に気を使い倒し、大学時代に心が壊れました。そして私は、2年間休学することになります。
性格は変えられないという前提に立つ
さて、私はここで、「性格は変えられるか? 変えられないか?」について論じるつもりはありません。
これを紐解くには専門的な知識が必要です。そんな知識は私にはありません。
ここでは、性格は変えられないという前提に立ちます。
なぜそう考えるか? それを裏付けるエピソードがあります。
内向的コンサルタントの第一人者、渡瀬謙さんをご存知でしょうか。
内向的な性格ながらも、あの体育会系で有名なリクルート社に勤め、社内1位の営業成績を収めた方です。
現在では独立され、内向型に特化したコンサルティングやセミナーを行っています。
その渡瀬さんに、私の性格の悩みを直接ご相談する機会がありました。
その際に、渡瀬さんからこのような趣旨のお話を伺ったのです。
・幼少の頃、猫を飼っていた。ある時、数匹の子猫が生まれた
・同じ親から生まれても、活発な子もいればのんびり屋の子もいて、性格が全然違う
・内向的だとか外向的だとかは、ただ「違う」だけと気づく。良いも悪いもない
・性格は先天的なもの。後天的に変えようとするのは無理があると知った
・つまり、頑張って内向的な自分を変えられたとしても、あなたはただの人
・だから性格を変える努力よりも、自分自身に「戻る」努力をした方がいい
性格はただ違うだけ。良し悪しの問題ではない。
なるほどと、深く納得しました。
もし私が、人見知りの陰キャを努力により変えることができたとしても、「普通の人」ですよね。
それならば、私という人間、私という個性をもっと突き詰めた方がいいと考えたのです。
偉人の言葉に学ぶ
当たり前ですが、人生の時間は限られていますよね。私も40歳を過ぎ、ようやく「自分以外の何者か」になろうとするのをやめました。渡瀬さんが言う、自分自身に「戻る」感覚が少しつかめてきた感じがします。
最後に、偉人たちの言葉をいくつかご紹介して終わりにします。
内向的な私に刺さる言葉ばかりです
あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。
ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。
他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。
そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。
それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。
それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。
スティーブ・ジョブズ
自分らしくあれ。他人の個性はすでに他の誰かのものなのだから
オスカー・ワイルド
ぼくらは深く、深く、もっと深く降りてゆかねばならない。
映画 「PolaX(ポーラX)」 (原作:ハーマンメルヴィル「ピエール」)
ここで必要なのは、生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることからなにかを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ
ヴィクトール・フランクル「夜と霧」
私は、自分の中からひとりで出てこようとしたところのものを生きてみようと欲したに過ぎない。
なぜそれがそんなに困難だったのか。
ヘルマン・ヘッセ「デミアン」
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