ボッチや内向型は「炭火」のような思考の利点を持つ

炭火
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私は炭火のような人間です

過去の勤務先で、合宿に参加した時の話です。
自分を何かに例えると? という自己紹介タイムが設けられ、ある先輩社員が自分をそのように例えたのです。そしてこう続けます。

「私は火が着くまでは時間がかかるのですが、燃え始めたらなかなか消えません」

良い言葉だと思いませんか。
いま思えば、穏やかでインファイターな感じの人でした。私と同じ内向型のボッチだったのかもしれません。

「しつこい」という特性

一つ、私の思考の特性を表す言葉で「しつこい」があると思います。くどい、執拗ではなく、しつこいです。
goo辞典では、このように定義されています。

「しつこい」は、簡単に引き下がらず、ねちねちとしているさま。
「くどい」は、くどくどと、同じ言葉や行為を繰り返すさま。悪い評価を伴うことが普通である。
「執拗」は、「質問で執拗に食い下がる」「執拗な攻撃」など、必ずしも悪い評価を伴わない


出所:https://dictionary.goo.ne.jp/thsrs/2574/meaning/m0u/

良い意味も悪い意味もありそうだね…(笑)

はい。長期的に、粘り強く続けられるということでしょう。

記憶の不思議。忘れていた曲名を突然思い出す

そんな思考癖の利点を1つ、私の具体的なエピソードとともにご紹介します。

20代の時、ビデオレンタル屋さん(←懐かしい!)で借りた1枚の洋楽のCDの中がありました。
車で出かける度にかけて口ずさんでいたのですが、40歳を過ぎたいま、どうしても聴きたくなりました。
しかし、そのアーティスト名と曲名を、どうしても思い出せないのです。

Google鼻歌検索やメロディから曲名を探索するアプリを、何度も何度も使ってみます。でも、ヒットしません。
うろ覚えのCDのカバーの特徴でインターネットを検索してみます。それでもやっぱり探し出せません。
もう生きているうちに思い出せないのかな、そう諦めていました。

ところが、ある日突然思い出したのです! それも、夕食後の後片づけでお皿を拭いていた時です。
アーティストの名前が降ってきたかのように、はっきりと思い出されました。

アーティスト名は、ヨ・ラ・テンゴ。
曲名は検索したらすぐに探すことができました。「Black flowers」。アルバム収録曲でした。

記憶は不思議ですね。プルーストの『失われた時を求めて』の中に、主人公がマドレーヌを口に含んだ途端に、忘れていた幼少期の記憶を蘇らせる有名なシーンがあります。「プルースト効果」と呼んだりするようです。
小説では匂いがフックになったのですが、私の場合はなぜか皿を拭くという行為から、記憶が蘇ったのです(笑)。

ブログや資格試験にも応用が利く

しつこく頭の中にとどめている状態。これは、炭火がくすぶっている状態に似ています。

このブログも同様です。3年間ほとんど更新していなかった状態でしたが、自分に合うジャンルや発信方法が何かないかな、折に触れて考えていました。その結果、ようやく「ボッチ」というジャンルに出会い、自分の性格や特性などを発信してみたいと考えるようになったのです。

もう1つ、中小企業診断士の資格を取得したのも同様です。
一度は挫折しましたが、ずっと私の中の「やり残したリスト」的なスペースに居座り、くすぶり続けていました。
資格を取得するまでに約10年間かかりましたが…。

コツは、ずっと留めておくだけ。すぐにやる気が出なくてもいい。結果として形にならずに消えていってもいいーー。
そうやって、しつこくスペースに置いておけば、意識の深いところに結びついて、いつか着火するかもしれない。
私がヨ・ラ・テンゴを思い出したように。

しつこく続けること=「炭火型思考」は私たちの強み

私は自分に絶望して生きてきたボッチ人間です。
何の強みもないと、下を向いて生きてきました。大学時代には2年間の不登校も経験しました。
でも、このしつこく続ける特性は、私の強みなのだと思います。

なかなか火の着きづらいボッチや内向型。しかし、ひとたび火が着けば、静かに、長い時間燃え続ける内向型でもあります。
これは私たちの強みと信じて疑いません。

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